『13人の刺客』
「斬って斬って斬りまくれー!!」の予告を観てから、
ずっと観たかった映画。
『クローズZERO』のどつき合いのファンなので、
それが殺陣になるってだけで期待大☆
日本語、ドイツ語字幕で観たんだけど、ドイツ語字幕に無理があり過ぎて、気になってしょうがなかった(笑)
やっぱさ日本語って最小限話して通じるってとこがいいわけで、
あと微妙な言い回しとか侍言葉とか自分を卑下した言い方とか諸々は、そのニュアンスを伝えるのも難しいと思うんだけど、変に直訳しすぎてて。それじゃあ全然意味違うよ!そういう意味で言ってんじゃないよ!と、イライラもどかしかったです。
「お命頂戴する」とかね、「おまえを殺す」とかでいいと思うんだけど。
案の上旦那には詳しい内容は解からなかったみたいだけど、
(地名なのか人名なのかどうかも区別がつかないようだし、御目付何百石とかも解かんないし、力関係とか参勤交代とかもうなにもかも知らないし)
まあチャンバラバラバラで、そこらへんは楽しめたようです。
「なんでいちいち切腹?」「なんで今斬っちゃわないの??今斬れるやん!」とか色々申してましたが、「武士道だよ、武・士・道!精神の問題」ってそこは言い聞かせ。

吾郎ちゃんの鬼畜ぶりが良かったですなあ。
(SMAPの中で一番好きな顔は吾郎。エレカシ宮本もそうだけどあの目元な)
その目が一切物言わないんだよね。
目で演技しない。口調で演技しない。汗かかない。
淡々としてるんだけど(演技が下手なのもあるかもだけど)、時々見せるフフッな笑みが最高。
個人的には斉藤工殺害シーンも、その妻を凌辱するシーンもきちんと描いて欲しかったけど(三池だもん、それぐらいやって欲しかった)、ダルマにされた女性はちゃんと見せてた。
自分「ぼっけえきょうてえ」はまだ未見なのだが(さすがに勇気いるよあれは)、でもこれくらいなら特に驚かないので普通に観てたけど、免疫のない旦那にはひいっ!だったようで(笑) まあ眉なしお歯黒もね、ひいっ!だろうけど。(「かぐや姫の物語」でも姫は抵抗してたが)
その他にも色々非道なことを繰り返す吾郎ちゃんだけど、
最後の乱闘になってから「わー!生きてるってこんなに楽しいのね☆死と隣わせ。初めて生を感じる!戦国時代ってこんなんだったんだろうね!僕が老中になったら戦国時代復活させちゃおう☆」って、
イスラム国に参加しちゃう最近の若者の心境になっちゃってました。なにこの予言。
さすがに死に際は「痛いよー僕死ぬのかな、怖いよー」って無様な姿を曝してましたが、そんな彼の首をはねるのはむしろ優しすぎるんじゃないかね。
そんな情けあげずに痛いままゆっくり死んでいけばいいのにーなんて思いましたよ。
苦しみからの解放なんて必要ないじゃないか。

豪華なキャストが揃ってるけど、やっぱり伊原剛志カッコいい。
(前からファンなのさー、すっごいすっごいファンなのさー)。
伊原は居合い型なんよね、なので地面に刀を刺しておいて、一回ずつ抜いて斬る!斬る!斬る!「俺の背後に逃れた奴は1人残らず斬れ!」的な男前発言もあり。
あと松方兄やんの安定感というか安心感というか。
いるといないとで全然違う!!!
殺陣もね、もうなんか余裕だよね!さすが経験が身体から滲み出とるよ!!若い奴らの小手先ひょいひょいじゃないんだよ、シュワッ、ぐわわわああん!て迫力。
話は仲間集めから作戦会議とそこらへんはちょっと何も起こらなくてたるんでるんだけど、ラスト50分の殺陣が観たいばかりに鑑賞したので、そこはまあ満足です。
でももっと血飛沫あるかと思ったの。
三池だからさ、首から血ブッシャーッとか袈裟斬りされて身体ずれちゃうとか、もっとグロテスクかな、って期待してたんだけど、そうでもなかったよね。
そういうのあっても良かったと思うけど。
もっともっと日本刀の活躍を観たかったよ。
でも「47RONIN」の何十倍も良かったのは事実。
あっちは47人より13人の方がいい活躍してました。

海外版だったので、伊勢谷×岸辺のおっちゃんのシーンがカットされてて非常に残念でした。そこ観たかったのにーーー!!
ラストに出てきた伊勢谷はきっと山田の頭の中の幻影なのかなって思う。
あんな首刺されてたら、生きてるわけないでしょうに。
血が流れ出た後もなかったし。しかしええキャラやったな奴は。
映画が終わったあとに、自分が持ってる刀とか武士の歴史とか、
刀術の本を旦那に見せたら呆れてた。
友達がMyojoだのマーガレットだの何だの読んでる横で、
自分はそんな本を読んでた高校時代・・・(笑)
西洋の騎士は剣と楯を持って戦うけど、
やっぱり自分は日本刀を両手で持って戦う姿が好きじゃ。
刀抜く時の音も、反射する光も好きじゃ。











 
2015.04.27 Monday | cinema | - | -
『かぐや姫の物語』 
『かぐや姫の物語』
ようやくドイツで発売になったので鑑賞。
わー!竹取の翁めっちゃカワイイんすけど!!
なにこのポヤポヤ感。じっちゃま感。可愛いすぎる。
姫の幼少の頃はなんとなく中島潔の絵(苦手)を彷彿とさせなくもない。
そして見事に描ききったね!子どものすっぽんぽん!
駿が描きたくても描けなかったものを!サラッとやっちゃったよ!
宮崎の映画では声に違和感を感じることが多々あるけど、
こっちでは声のキャストが全部ピタッときてて、全てがスーッと溶け込んでた。地井さんも凄い良いし、朝ドラや大河で聴きなれた宮本信子の安心感っての? みんな良かった。

クライマックスの月からのお迎えのとこが、
なんか、なんか、ビックリ。
もちろん姫は捨丸兄ちゃんと一緒になることは出来ないので、
原作通りに月に帰らなくちゃいけない事はわかるけど。
(一瞬でも妻子を捨てて竹の子と駆け落ちしようとした捨丸兄ちゃんは、その後心身穏やかに妻子と共に暮らしていけたんだろうか、や、それはないなw!)
ちゃかぽこ、ちゃかぽこの音楽もインパクト大だし、
無情な月の使者が、姫の訴えに耳を貸さず、下界の人間への一切の同情なしにサクーッと姫を連れていっちゃうとこなんかも良い。しかも夜空の月に消えてくんじゃなくて、宇宙までいっちゃってたからね。地球出しちゃった。
あそこで姫が振り返ることで、彼女は全てを忘れきってはいない(=月に帰っても地球への郷愁に苦しめられる)ってことが解かる。そしてまた竹の子として地上に堕ろされることになるのかも。

「竹取物語」というだけあって、話のもう1人の主人公は竹取の翁。
なんか気の毒なほどに純粋で切なくなるのう。
母親は最初からしっかりとしていて、いつでも娘の側にいるし、
その心身の変化にも敏感に気付くし、頼りがいがあるのだけど、
翁は男性脳というか、筋違いの優しさ、勘違いの幸せを妄信して、
空回りする感じが現実の子育てにもよくあることなので、見てて痛々しい。
実際された方はおせっかい、有難迷惑、愛情の押し付けで息苦しく感じるのだけど、本人がほくほく上機嫌なもんで遠慮して言えないっていうね・・・。
じゃあいつまでも気遣って自分を殺してもいいのか、っていう。
でも自分出すとその人を傷つけるし、っていう葛藤。
実際には姫の成長速度はめちゃめちゃ早いから、
翁が一所懸命姫を育てたって言ってもたったの数年なんだけど、
そんなたった数年で思春期に突入した女の子の気持ちなんざあね、男親には理解しがたいだろう、ましてやあんな時代、価値観が全く違うんだから、女ですら若くして高貴な方に嫁いでこそ、な考えなわけだから、
姫の21世紀型の思考回路なんて、まったくわからんだろう。
時代はロハス、エコ、ビオ、田舎暮らし万歳なんだ!(ちゃうか)
でもそんな姫も結局は好きな人と一緒になることが幸せ、ってとこに落ち着くので、うーん、うーん、そこはやっぱちゃうねん、ってしこりは残るけどもね。ようはそっからじゃあどーするの、って話だから。そこで完結したらディズニーと同じやん。


古典が苦手だったので「竹取物語」もほとんどちゃんとやらなかったけど、
でも冒頭の文や登場人物の名前は記憶に残ってるもんなんだなあ〜、
そういや、そんなエピソードあったな的な。
あと高校受験で自分はもう推薦決まってたけど、
ヤンキーの友達の監視兼付き添いで受験した女子高の試験に「竹取物語」が出て、問題に「この話で、世間一般に昔話として知られている人物は誰か」みたいなのがあって、試験終わりの休憩時間に友達や他の受験者が「えー!?かぐや姫なの?竹取の翁って書いちゃった!」って言ってて、もうなんと声をかけていいのやらわからなかった。
その後隣教室にいたヤンキーと友達が喧嘩し始めるわ、
英語の試験は「え?冗談でしょ?これが高校受験の試験問題?」ってレベルで、なんだろ・・・、もし自分があの高校に通うことになってたら人生えらいことになってただろうなーって思う。

話それたけど、この作品は圧倒的に女性の支持、ファンが多いんじゃないかと思った。
大して大きな盛り上がりもなく話が進んでいく中で、
女性の細やかな心象変化についていけるのは、やっぱり女性なんじゃないかと。
構想から8年らしいけど、企画やら作画が煮詰まってただけで、
アニメーション製作は2年くらいでしょ?
あの枚数をやりきったって凄いわ・・・。
世界に誇れる傑作だと思います。
噂の帝の顎もしっかりと目に焼きつけました。





 
2015.04.26 Sunday | cinema | - | -
『47RONIN』
なんか無性に、殺陣を観まくりたいぜ!ってので、
『るろうに剣心』『13人の刺客』『一命』『47RONIN』を入手。
『一命』はたまたま旦那の実家にあったので(なんで?)借りてきた。
ドイツ題『HARAKIRI』になってました・・・。
剣心は3部セットになったら買おうと思って待ってたのだけど、
値下げされてたので買ってもた。

まずは『47RONIN』から。
キアヌが侍ね、って理由だけで選んだです。
大コケして、巷で叩かれまくってもう地面にめり込んでるくらいの出来なのは、最初からわかってたです。
だって、ドイツ版DVDのパッケージ、これですよ??

わああ・・・・・・(°∀°;)
これのどこに「忠臣蔵」の要素があるかね??
裏パッケージも、クリーチャーの写真しかありませんでした。
あの獣と、坊主頭の巨人と、ドラゴンね。おいおい・・・。
タトゥーの人とかもう一瞬しか出てないのにね。(有名な人らしいけど)
日本版はこれ。

忠臣蔵にせよ、ファンタジー系にせよ、
見事に両ファンをガッカリさせることには成功してる。
CGもなんかしょぼいしのう・・・。なんかゲーム画面みたい。
コスチュームもそうだし、あの長身の鎧の侍なんか、
最初のステージの小ボスって感じよな・・・。
天狗怖いし、夢に出そう。

少年期のキアヌを演じたダニエル・バーバーという俳優が、
キアヌの若い頃にそっくり!で、自分やっぱこういう顔好きやわー、
めっちゃ好きやわーと。(ジョセフ・G・レヴィット然り)
それだけ知れただけでも観たかいあったけど。
あと、やっぱりキアヌの走り方って変だ。なんか身体のバランスがね。

キャストは真田さんが健気に本当に頑張ってたけど、
もうそれが涙ぐましいというか。
柴崎コウは劇中ずっと三白眼なだけで棒だし、
逆に凛子の頑張ってる感が虚しい。
浅野もパッとしないし。(年々彼の顔が嫌いになる。あの目が嫌だ)
字幕なしのオリジナル英語で観たんだが、
もう途中から話とかどーでもよくなって、
旦那に地盤の「忠臣蔵」の話を聞かせていた。
旦那が血判状を見て、「だから日本ってハンコを押す時に赤いインクなんだね!」って言ってたけど、確かに朱肉は赤いが何か関係あるのかなぁ?? (因みにドイツでは公式文書のサインには黒か青のインクを使う)
あと赤西見て、「彼は人気あるんだろうね!日本の女の子が好きそう!」て。「よくわかったね、アイドルグループの1人だったんだよ」にしても眉毛描きすぎじゃね??
なんで「切腹」なのかはホント理解できないらしい。
めんどくさくて説明しなかったけど。
あと自分兵庫県出身だけど、まだ赤穂って行ったことないや。
倉敷行った時に通過しただけだな。

肝心の殺陣だけど、なんかもうそれも全然興奮しなかった。
クリーチャー相手ってのもね・・・。
主の仇とる時はどつき合いだし。
なんか、ほんと色々金かかってんのはわかるんだけど、
もうドブに捨ててるようなもんで、
やっぱりなんだ、ハリウッドってのは色々壮大にしなきゃ気が済まないのかね。スケールでかくすりゃいいってもんでもないんよね、日本人の精神性とか武士道とかって、そういうスケールで測れないものなんよね・・・、とか思ったり。
昔正月に2日連続放映よくやってた「忠臣蔵」が久々に観たくなったよ・・・。







 
2015.04.18 Saturday | cinema | - | -
『ダラス・バイヤーズクラブ』
ベルセバの新作を聴きながら書いております。
ミック脱退してたんだな!知らなかった〜。
なんだかペットショップボーイズを聴いてるような、
くすぐったい感じがするのう・・・。
ドイツにツアーで来ないかなあ・・・。

で、映画、面白かった。
アカデミー文句なしに獲るだろこれなら。
個人的にはソダーバーグに撮って欲しかったな。
まあソダーバーグ引退しちゃったし無理なんだけど。
本人とは判らないほどにガリガリに痩せたマコノヘイと、
ジャレッド君(もう43才!)。その脚線美☆
ジャレッド君は元々がこんなアンニュイな雰囲気なので違和感なし。
(余談だが、私は男性が女装してストッキングを履いている脚が好きだ。膝の骨ばった感じとか、筋肉の浮くふくらはぎとか。松ちゃんポリスの松ちゃんの脚も好き)

とても苦しい状況におかれた主人公、
でもどこか飄々としているところがいい。
これNYが舞台とかだったらもっとじめっとした感じになるんだろうけど、カウボーイの世界だからね、武骨で男臭い生き様がいい。
自分の奔放な性生活が招いた悲劇に自暴自棄にならず、
感染後は娼婦相手にも性交渉しない態度が男前。
(すでに感染してる娘ことはヤッちゃうのにね)
主人公は、HIV判明後にやさぐれていた前半と違って、
後半は点滴お供にしながらでも、表情は生き生きとして肌艶も良く見える。

気になったのは、1985年が舞台の実話なんだけど、
日本に薬を仕入れに行って渋谷が映った時に「ケータイ」の看板が出てたのは失敗だよね。
たぶん本人は日本に行かずに景色の合成だけしたんだろうけど、
日本から帰ってきた主人公が空港で使っているバカでかい携帯電話と、「ケータイ」の看板は釣り合わないよ(笑)
そもそも携帯をケータイって書くようになったのここ10年くらいじゃね?
医者なんかも全員向こうで揃えた役者使ってる感じだったしなぁ。





 
2015.02.08 Sunday | cinema | - | -
凶悪の脳みそ。
『凶悪』『脳男』『人間失格』を鑑賞。

『人間失格』
時代の雰囲気はよく出てたように思う。
生田斗真ってジャニーズなんだね。
まあ言われてみれば、松潤と同じ系統の顔だ。苦手顔。
森田剛がバリバリ違和感あったなぁ。
詩人感がなにひとつも滲み出てない。
年増キラーの主人公、熟女女優達が素敵でした。
まあ、そんなぐらいかね。
角川映画だからって差別してるワケぢゃないよ!・・・うん。

『脳男』
これさ、原作の爆破犯は男性らしいんだよね。
なんでこの2人にしちゃったわけ??
全然意味解かんないし、なんの効果も発揮されてないし、
むしろ作品を台無しにしてるよね。
個人的には好きな女優2人だが、これに関してはナシ!!!
ほっんとクソでした。全く奥行きも迫力も真実味もない。
(『リング』とか『藁の盾』も、原作の男性役を女性に替えてるよね(どっちも松嶋菜々子だし)、なんでだろ・・・。集客の為に、そんな無駄なことしなくていいのに)
あとラストの、バットマンのジョーカーを意識してるんだろうけど、
それも意味なくね??全然狂気感じないんですけど。
あとね、いっつも思うんだけど、こういう女が悪役を演じる場合って、
やっぱそれなりのガタイがいると思うのね。
気絶した人間を1人で運んで手術台に載せたりするの、そうとう無理あると思う。血吐くくらい弱いのに。
あとね、悪役の「自分は悪ですよー」てのをね、
全部台詞で言っちゃってるのね。馬鹿だよね。

この作品の生田は良かったと思います。
前髪が一糸乱れぬ松雪姉さんも素敵でした。
続編もなにやらあるようで。
ってかね、痛覚がないとか、感情がないとかは解かるけどさ、
痛覚がないからって、イコール不死身とはいかないと思うんだよね!!
車にはねられたら、骨も折れるし内臓も破裂すると思うんだけど!
そこらへん、殺人ロボットだとしても、サイボーグとは違うと思うんだけどね!!

しっかし、この二階堂の「日本終わってるわ」の台詞が
ペッラペラに響くのは、所詮この映画が『凶悪』の足元にも及ばないってことを象徴してるからかと。
そんな台詞吐くのは『凶悪』観てからにしなさいよ、二階堂ちゃん。

『凶悪』
最高・・・。久々にめっちゃ面白い邦画を観た。
なんだこれ、なんだこれ、なんだこれ。
なんかもう残酷すぎて、怖すぎて、最低すぎて、
逆に「ぶおっほ☆」って吹きだしちゃうくらい。
やー、ちびっこの番組に出たり、オラフの声なんかしてるピエールさん、
おでんくんで大人子供に癒しを与えるリリーさん、
見事にブチかましてくれてます。そう、ぶっこんでる!!
楽しいよ!可笑しいよ!哀しいよ!恐怖だよ!
しかもこれ実話なんだそうで。そうだよね、尼崎連続殺人事件とか、埼玉愛犬家殺人事件とか、ホントにあった話なんだもんね、
これくらいの話、いっくらでもありそうだよな。
この映画の恐怖って、映画の中だけで楽しめる恐怖っていうんでなくて、
こういう殺人が身近にあるってことなんよね。
北野武や三池崇史の映画の暴力ってある意味、映画の中だから楽しめるんだけども、この『凶悪』の描く暴力と殺人は実際に肌身で感じる恐怖。
たとえ直接手を下さなくとも、じりじりと他人を、
近親者を死に持っていく殺人。気付いたらすぐそばにある死。
殺す方もどんどん死に鈍感になっていって、
もうなーんにも感じない。仕事の一環でもあるし。
その醒めた狂気の怖さというか。

ピエールのキレっぷりも(衣装もスゲー良い)、
リリーさんの狂いっぷりも、最高の演技だった。
池脇千鶴も良かった。
山田孝之がどうして母親を施設に入れたくないのか、
そこらへんの葛藤が描かれていないのが残念だったけども。
「罪悪感を感じるからでしょ?」って指摘されるも、
それがどういう種類の罪悪感なのかが語られない。
ただ彼はその話題から逃げるのみ。
少なくとも、良い親子関係を築いてきたからこそ、
親を施設に入れることに罪悪感を感じるんだろうけども、
そういう親子間の描写はないから解からない。
(母親を愛してなかったら、さっくり施設送りにできると思うんだけどね)

因みに、全てが記事になって、それを読んだ妻が記者の夫に
「面白かったよ。世の中ってこんな事があるんだ。こういう死に方、殺し方があるんだ」って、言う台詞、世の大半の人間が同じように思ってることじゃないだろうか。
自分もやっぱりこういう事件ってすごい興味あるし、
人間の好奇心って善悪とは一線を画してると思う。
かといって、自分の身近にそういう事件があれば、
なるたけ関わり合いになりたくない、巻きこまれたくない、
手助けしない、見て見ぬふりするのもまた人間じゃないかなと思うのです。
人には気軽におススメできないが、ホントに良質な映画だった。











 
2015.01.12 Monday | cinema | - | -
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